中学受験を目指している親子は、前にも書きましたが、ある程度親が生活面だけでなく、学習面でもかかわることが必要です。その場合、つきっきりで教えるのではなく、アドバイスを与えるぐらいにしておいたほうがよいでしょう。もし教える自信がない場合は、生活面のほうだけ管理し、あとは塾に全部任せてしまってもよいと思います。ここで問題にするのは、中学受験をしない小学生や、高校受験を控えている中学生です。大変教育熱心な家庭では、小学校低学年から(人によっては幼稚園から)子どもにつきっきりで勉強を見ていることがあります。お父さんお母さんが教えるときに気をつけなければいけないことは、ある程度距離をおいて見てあげることですが、実際にはなかなかそのようにはいかないようです。たとえば次のような問題があるとします。「りんごが1かごに5こずつはいっています。かごが4つ分のりんごの数はいくつですか」これは小学校2年生の問題ですが、ある児童が、増える問題だから「5+4=9」と解きました。熱心なお父さんお母さんはこの子に「たし算ではなく、かけ算でしょ」といって教えることがよくあります。よく考えていただければわかると思いますが、「かけ算でしょ」というような見方をしていたら、何も考えずにこの子はかけ算の式を立てて計算します。なぜかけ算なのかを理解できないため、いつまでたってもかけ算の文章題は解けないことになります。お父さんお母さんが子どもに密着して、熱心に教える家庭では、「なぜそうなるのか」を教えるのではなく、結果だけを教えてしまうことが往々にあります。これではいつまでたっても、創造力のある考える人間には育ちません。
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