韓国においては、1990年代後半よりアンチバイアス教育に関心がもたれるようになった。韓国の保育機関には、教育人的資源部管轄下の「ユチオン/幼稚園」(以下「幼稚園」と称する)と女性家族部管轄下の「オリニジップ/子どもの家」(以下「保育園」と称する)がある。2002年に訪問したソウル特別市およびその近郊の7つの保育機関(幼推園2ヵ所、保育園5ヵ所)のうちアンチバイアス教育を導入した保育を実践していた保育園が1カ所あったので、そのソウル保育園(仮名)の保育内容をみてみたい。ソウル保育園は、保育園の特色として、「快適で安全な環境」「発達段階にふさわしい屋外環境」「プログラムの系統的管理および継続的な職員の研修」とともに、「アンチバイアス教育の採用」をあげている。ソウル保育園は外国人が多く居性する地域に位置し、文化的背景の異なる子どもを受け入れていることがこのカリキュラム導入の契機であったという。ソウル保育園に在籍する外国人の子どもの国籍は、2002年9月9日の時点では、ドイツ、フランス、インド、オーストラリア、中国であった。所内に入ると、玄関に、多様な人種、民族の人を描いた絵が玄関に貼られ、また、階段の壁には、子どもたちが描いた子どもの絵が貼られていた(写真5)。描かれた子どもをみると、さまざまな肌の色、髪の毛の色や髪質である。ソウル保育園では、保育士たちがアンチバイアス教育についてアメリカの実践書を読み、研究したうえで、自分たちの保育園でのカリキュラムを作成し、それを報告書にまとめている。
[関連情報]
保育士の資格詳細
http://www.seitoku.jp/kttcsu/