ファッションが掲げる理想体型

2011.06.06

私たちは、ボディーイメージの悩みを抱かせたと言ってファッションを断罪しておきながら、そのシステムに背を向けたりはしない。それどころか、ファッションが掲げる理想体型に一層こだわり、不満解消のためにさらに服を買い込むことで、もっと深みにはまっていく。ファッションは虚栄心の上に成り立つビジネスであり、私たちが絶えず自己愛と自己嫌悪との狭間で揺れることがゲームの必須条件なのだ。もし、揺れ動くのをやめてあのままの自分を愛するようになったなら、もう服を買いたいという強い衝動など感じなくなるだろうし、自分を大嫌いになってしまえば、素敵に装いたいなどという欲望はきれいさっぱり捨ててしまえるだろう。私たちは自分の体への愛と憎しみを行き来するジェットコースターに乗っているのであり、それが上り下りするたびに、ファッションがおいしい思いをしているのである。ファッションはネガティブなボディーイメージを引き起こすのかどうか。これは、何十年にもわたって、ファッション評論家や心理学者、フェミニスト、果ては政府までが好んで論争してきたテーマである。