大手派遣会社はスケールメリットを追う

2011.08.18

人材派遣業の利益率は平均して2・O〜2・5%というのがこの業界の相場である。つまり、2・5%であれば100億円の売上げの場合、利益額は2億5000万円というわけで、他の業と比較して利幅は薄いといわざるを得ない。なぜそうなるのかというと、再三述べてきた通り、売上局の約80%は派遣労働者の人件費であり、これに社会保険等の法定福利費、販売管理費等を積み重ねなければならないからである。さらに、派遣先からは料金を抑えられがちである一方、賃金をいたずらに安く抑えるわけにはいかない。低賃金であればスタッフ募集はほとんど困難となるからだ。とくに、バブル不況下の過去10年間はこうした傾向が続いた。そのため、スケールメリットを活かす事業展開が業界内での主流となったのである。大手6社は他社に先駆けてスケールを大きくするのに成功した。
具体的には、多店舗展開であり、全国主要都市を抑える一方、中堅都市に至るまでそれを拡大して受注を獲得した。競争見積もりにも参加し、時間10円でも安く抑えて全国規模の受注に走った。その結果、派遣は工場のベルトコンベアのように分業化した。セールスとコーディネーションを分け、コンピュータ管理ですばやく対応した。この方式は、確かに大量のスタッフを配置するのに貢献しているが、反面、個々の派遣労働者の不満を吸収するのは困難となる。また、法律の改正で派遣の原則自由化が認められた際に、多様なサービスに一番早く食らいついたのも大手6社である。