日本の住宅にモーターがいつからこんなに増えてきたのかを考えてみます。私の個人的な記憶によると、戦前のわが家にはモーターは一つしかありませんでした。モーターといっていいのか分かりませんが、ぜんまい式の蓄音機で、戦争中針がなくて三角形の竹の針で、ドイツ歌曲などを聞いたのを覚えています。電気で回るモーターがわが家に入ってきたのはたしか一九五〇年頃、私が中学の頃に学校の教師だった親父が突然買ってきた電気洗濯機がわが家の電動モーターの始まりでした。
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洗濯機というのは日本の電化製品で、比較的早く登場し、普及が最も早かったもので、わが家もその標準から外れていません。それから次第にいろいろな電化製品が普及してくる。爆発的に電化製品のブームといわれるようになるのが一九五五年です。一九五三年に朝鮮戦争が終わり、東洋の軍需工場と呼ばれて朝鮮戦争で米軍に庫需要を供給して儲けた日本は、経済企画庁が「もはや戦後ではない」という有名な宣言をした、いわゆる神武景気へと一九五五年に突入しました。この年が実は家庭電化製品の走り始めです。そういう意味では実に懐かしい年です。